2022.04.15

消費税の軽減税率が適用される『一体資産』の条件とは?

2019年10月に、消費税が8%から10%に引き上げられ、同時に軽減税率制度も適用開始されました。 軽減税率とは、特定の品目に対して消費税の税率を8%に据え置く制度のことで、飲食料品や新聞などが対象になります。 ちなみに、飲料であってもビールなどのアルコール類は対象外です。 ただし、これらの軽減税率の対象となる飲食料品と、対象外の品目が混在する商品については『一体資産』と呼ばれ、軽減税率が適用される場合と、適用されない場合があります。 今回は、一体資産が軽減税率の適用を受けるための条件について解説します。

軽減税率の対象となる一体資産の条件は

まずは、対象となる一体資産をあげていきましょう。 たとえば、玩具等がおまけとして付随するお菓子や、缶詰とお皿のギフトセット、食品と食品以外のグッズ等が混在した福袋などは、軽減税率の対象となる食品と対象外の品目で構成された一体資産に該当します。 その商品が一体資産で軽減税率が適用を受けられるかは、以下の条件を満たしているかどうかで判断します。

(1)一体資産の譲渡の対価の額(税抜価額)が1万円以下であること (2)一体資産の価額のうちに当該一体資産に含まれる食品に係る部分の価額の占める割合として、合理的な方法により計算した割合が3分の2以上であること

『合理的な方法により計算した割合』とは、一体資産における食品と、それ以外の品目の売値を比較した場合の割合や、原価の割合を指します。 つまり、質量や面積ではなく、売値や原価を基に食品の占める割合を求めるということです。

たとえば、一体資産における食品の仕入額が1,500円で、それ以外の品目の仕入額が600円の場合は、一体資産の原価は1,500円+600円で2,100円になります。 食品の割合は1,500円÷2,100円で約71%となり、『割合が3分の2以上』の条件を満たしているため、この場合は軽減税率が適用されることになります。

一体資産と一括譲渡の判断基準とは

一体資産は、軽減税率の対象となる品目と、それ以外の品目がセットになっている商品のことです。 しかし、それぞれ単体で売っているものをその場で組み合わせて販売する場合、一体資産には該当しないので注意が必要です。

たとえば、スーパーなどで別々に販売している、アルコール飲料とお惣菜をセットで値引き販売する場合は、一体資産とはなりません。 これは、軽減税率対象の品目・対象外の品目の『一括譲渡』といいます。 また、飲食料品と飲食料品以外をあらかじめ詰め合わせた商品でも、個々の内訳表示をしているとそれも『一括譲渡』となります。

ハンバーガーショップの例を参考に、具体的に確認しましょう。

持ち帰り用のハンバーガーに、ドリンク、または玩具をセットにして販売するとします。 この場合、客側がどちらかを選べるので一体資産には該当しません。 また、ハンバーガーと玩具をセット販売する場合、玩具の種類を複数から客側が選択できる場合も、一体資産には該当せず、一括譲渡となります。 一体資産とは、あらかじめ食品とそれ以外の品目が一つの資産として形成されているものに限ります。 顧客が何らかを選択できる場合、購入する段階で一つの資産を形成していることにはならないと判断されます。

もし軽減税率の対象と、そうでないものを、セットで販売する(一括譲渡を行う)場合は、軽減税率の対象となる食品とそれ以外の品目の税率を合理的に区分しなければなりません。

なお、ハンバーガーにドリンクと非売品の玩具(対価を設定していない)をセットにして販売する場合、販売価格が500円で、ハンバーガーの単価が300円、ドリンクの単価が200円であれば、セット価格からハンバーガーとドリンクの価格を控除した後の残額を非売品の売価とし、玩具の売価を0円とすることで、事実上、セット価格の500円に軽減税率を適用することも、合理的な区分として認められています。

また、顧客が選択できる場合は一体資産ではなく一括譲渡になりますが、一方で、『ハンバーガー+おもちゃA 500円』『チーズバーガー+おもちゃB 550円』などあらかじめ選択可能な組み合わせを提示し、それぞれの組み合わせごとに価格を提示していれば、一体資産となります。

もし、判断に迷った場合は、国税庁のホームページを見たり、税務署に問い合わせたりするなどして、確認するとよいでしょう。