2017.01.18

「白紙の領収書」で法的トラブルに巻き込まれないためには?

昨年は、ある国会議員の政治資金パーティーで、主催者側が白紙の領収書を発行し、参加議員側で日付や宛名、金額などを自由に記入していたことがあり、話題になりました。これに対しては、所管の総務相が「領収書の作成方法は規定されておらず、政治資金規制法上問題ない」として、それ以上は問題化せず幕引きとなりました。

しかし、白紙の領収書は、受け取った側が自由に記入でき、経費の改ざんが容易にできると思われることから、常識的に考えて、違和感を抱いた方も多いはずです。実際に企業や事業主が同じことをした場合は、違法行為に該当するケースもあります。

今回は、「白紙の領収書」は法的にどんな問題があるのかということと、万一、受領した場合はどう対処したらいいのかについて解説します。

「白紙の領収書」を発行する側のリスク

まず、白紙の領収書を発行する側の立場で解説しましょう。先の政治資金パーティーのケースでは、「主催者側が了承しているのでよい」ということで受け取った側が空白部分の文言を記入していました。

ではこれを、よくあるケースとして飲食店の領収書に置き換えると、宛名が空白でも店の名称や住所、担当者名に捺印がされていることがほとんどだと思います。ということは、法的には、作成名義人(店側)が発行する時点で領収書に責任を持つということが基本になります。なぜなら、受領者(客側)が後で実際よりも水増しした金額を記入する可能性があるからです。

税務調査では、調査官は領収書等の筆跡にも目を光らせます。調査官が違和感を持てば調査の対象となり、改ざん等が発覚する可能性があります。実際に、受領者が自分で金額を水増しし、公に提出した場合には、「文書偽造」という違法行為になります。

さらに言えば、取引先に頼まれて金額欄に何も記載されていない領収書を発行した場合には、脱税の手助けをしたということになり、「法人税法違反幇助(ほうじょ)」という違法行為にもなります。白紙の領収書を発行することは大変リスクのあることなのです。

「白紙の領収書」を受け取ったらどうする?

では、白紙の領収書を受領したらどうすればいいのでしょう?
まず、領収書を受け取ったら、必要事項が書いてあるかどうか、その場でしっかりと確認し、金額や宛名等を入れてもらうようにしましょう。

また、白紙の領収書を受け取っても、空白があるからといって、安易に金額を改ざんするような行為はやめましょう。領収書に「空白がある」ことよりも「受け取った側が書き込んでしまう」ことの方が、問題なのです。

領収書の宛名や日付が空欄でも、帳簿等で正しく事実を記載していれば、税務調査でも配慮してもらえる可能性があります。「実際にそこに行っていくら使ったか」が具体的にわかればよいのです。

まとめ

一般的には、白紙の領収書を発行したり、受け取ったりすることはリスクが大きいです。後になって余計なトラブルに巻き込まれる危険性があり、会計処理にも困ってしまいます。ぜひとも避けたほうがよいでしょう。

追記:領収書を紛失した場合や正確性に欠く場合はどうする?

その他、陥りやすい領収書のトラブルとしては、紛失や正確な記入の仕方がわからないなどがあるかと思います。そういった場合には、

・レシートを代用する(領収書と併用ではもらえない場合もある)
・出金伝票を活用する
・クレジットカードや電子決済を使った場合には明細を取得し活用する

以上のような方法で対応できます。

ご不明な点があれば、専門家にご相談ください。